rx-7_1.jpg 51k
スポーティではなく、スポーツ。
モータリゼーションの成熟の頂点で日本車の最後のハードルに挑んだ
RX-7 は自身を明確に "スポーツ" と規定した。
-------------------------------------------------
●主としてヨーロッパ生まれの高性能車を主人公にした "スーパーカーブーム" が突如として起きて来た。
と言っても、このブームを牽引してきたのはごく一部のエンスージアストたちであり、熱にうかされたのはほとんどが小・中学生であった。彼らの人気の中心は、大排気量、エアロダイナミクスのスタイリング、それもリトラクタブルライトを持ったクルマと相場は決まっていた。
そして、当時急速に普及し始めたオートフォーカスまでを含めた小型自動カメラが「カメラ小僧」の現象を作り、ブームを助長していったのだ。
●しかし、子供たちは純粋であるが故に、クルマのひとつの本質を見抜いていた。それは人間がクルマと関わるうちに築き上げてきたスポーツとしての側面である。
こと子供たちに限らず、誰もがクルマと楽しみを分かち合いながら走ることを希求していたはずである。
rx-7_2.jpg 53k
● '78年 3月のサバンナ RX-7 との遭遇は、そんなクルマファンにとってはたまらないものであったに違いない。
リトラクタブルヘッドライトを最大限に必要としたウェッジシェイプ、ストレートアーム気味の似合うコックピット、そしてロータリーエンジンならではの "フロントミッドシップ" 。
12A 型エンジンは吸気ポートを改善されて、130ps/7000rpm のパワーを絞り出した。
この通称「セブン」は、従来からのスペシャリティというあいまいなジャンルと訣別し、明確にスポーツカーへの転回を意図していた。
そして、今や世界の自動車先進国となった日本の、どの国にも劣らない本物のスポーツカーを育てるのだという自負は、今も新しい「セブン」に引き継がれている。