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感性がプライオリティを持ち始めていた。
速さや美しさは、もはや言葉を超えて
純粋な走りと大胆なファッション性に具現された。
若い心をサバンナが射抜いた。
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●「ディスカバー・ジャパン」を合い言葉に、一大旅行ブームが訪れていた。ブームの中心となったのは「アン・ノン族」と呼ばれた若い女性たち。
その彼女たちに代表されるように、'70年安保後の若者たちは妙にシラケていて、意味よりも感覚を信じる傾向を持ち、「フィーリング」なる言葉が時代のキーを握るようになっていた。
彼らにはジーンズ、Tシャツがユニフォーム化、ミニスカートに変えてホットパンツが大流行。
クルマで出かけるボーリングがピッタリくる遊びであった。銀座三越内にマクドナルドの第1号店がオープンしたが、ハンバーガーとコーラのとり合わせも若者たちのフィーリングを大いに刺激した。
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●クルマは若者文化の重要なアイテムのひとつとなった。'71年、乗用車の登録台数が初めてトラックのそれを抜くが、
増えたのは台数ばかりではなく、各メーカーは新しい車名を続々とエントリーさせた。
●そんな中で、ひと際精悍なロータリーエンジン専用車サバンナが9月、誕生した。キャッチフレーズは「直感、サバンナ」。
ロングノーズ、ショートデッキの力強いスタイリングを与えられたこのクルマは、ガソリンの無鉛化でパワーを失った多くのGTカーを尻目に、105ps、180km/hの最高出力、最高速度を誇り、フィーリング族の「スペシャリティカー」路線をはっきりと定着させた。