roadp1.jpg 31k
オイルショック、そして排出ガス規制。
クルマにとっての暗澹たる時代であればこそ
ロータリーパワーが求められた。
先覚の国際分業からロードペーサー APは走り出した。
-------------------------------------------------
●列島改造論に振り回されている国民の背中に、突然冷水がかけられた。
'73年10月に勃発した中東戦争によるオイルショックである。
石油の値上げに端を発する波紋は、またたく間に産業界から国民へと広がった。
単にマイカー族に打撃を与えただけでなく、諸物価を高騰させて生活を直撃したのだ。
石油不足は不測の、極端なモノ不足へと拡大、トイレットペーパー、洗剤、砂糖、塩など主婦たちを巻き込んで「買だめパニック」を引き起こした。
そして、'73年度は実質経済成長率が戦後初めてマイナスに落ち込んだのである。
roadp2.jpg 23k
●'75年。狂乱物価が鎮静してみると、世の中は大きく変わっていた。
列島改造論の立て役者は金脈問題で既に政権を降り、子どもたちのあこがれの的であった巨人軍の長島茂雄も、大相撲の大鵬も、現役ではなかった。
●クルマを取り巻く環境も、もちろん以前と同じではなかった。
オイルショックと排出ガス規制のダブルパンチをまともに受けていたのである。そんな瀕死の状況の中から、'75年 3月、ロードペーサー APは誕生した。
GMホールデンプレミアの大型ボディに 13B型ロータリーエンジンを搭載、普通乗用車では初めて50年排出ガス規制をクリアするとともに、来たるべき自動車産業の国際分業時代への第一歩をいち早く踏み出したものであった。