Cosmo AP
Last Updated on June 9,1996


ここに記載する文書、写真は "The Rotary Graffiti 1967-1987" のものです。


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すべてのクルマが "パワー" を捨て "節約"を競った時代に、
突然、現われた衝撃のクルマがある。

「走ることは素晴らしい!」
真紅のコスモは、高らかにクルマの復権を謳いあげた。
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●ビデオ・カセットが登場する一方、
ポケット電卓やポケットカメラ、100円ライターなど小型で手軽なモノが流行し始めた。
戦後生まれの人口が国民の半分となり、大学生が 200万人を超え、学習塾が全盛期を迎えるのが、75年である。


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●一時期、クルマ使用の自粛を訴えた「ノーカー運動」も、既にそのほとんどが挫折して、日本の社会そのものがもはやクルマ抜きでは機能しえないことを証明していた。

アメリカに先がけて実施された厳しい排ガス規制を乗り超え、それに続く燃費改善をも実現した日本では、クルマ公害の批判もようやく峠を超えようとしていたのである。


●この 75年 10月、東京・晴海では 2年ぶりの自動車ショーが開かれていた。
ショーのテーマは『くらしをくるまにのせて』だが、各社とも排ガス対策の競演。
そんな中にあって異彩を放っていたのが、コスモ AP であった。

51年規制適合車でめることはもちろんだが、それ以上に動力性能、燃費の改善を実現した技術的成果に加えて、
華やかな 2ドア・クーペのボディをまとって、とかく暗くなりがちだったクルマ社会の重圧を一気に跳ねのける派手やかさに満ちあふれていた。


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●走ることは、素晴らしい。
美しいクルマを持つことは、それ自体で実に楽しい。
それは人間にとってのクルマの魅力の本質にかかわることのひとつ。
他のもので代替えすることの絶対にできない喜び。
その素晴らしさ、楽しさに向かって、マツダは、今、新しいコスモを登場させました。
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とは、当時のカタログの冒頭のコピーである。
現在に続く新技術・高性能競争の源流が、このコスモ APであった。



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