ロータリーエンジン車全般に関する情報
Japanese Only Last Updated on May 15,2006


..... .....新ネタは1週間くらいここへ置いてから、下へ移動します。



  • 真っ赤な嘘は載せて有りませんが、車をイジルのはご自分の責任においてやって下さい。
    ここに書いて有ったから・・・などとクレームを頂いても責任は持てません。
  • 場合によっては整備書などから画像/文章等の無断転載が有ります。
    営利目的ではないのを良いことに、使用者個人の判断で勝手に使っています。

  • FDに関する情報】 【FCに関する情報】 【車全般に役立つ?情報

  • 3,000rpm以上回す?
  • アフターアイドリング(FD)
  • 異常燃焼
  • エアポンプと触媒
  • エンジンオイル
  • エンジンオイルの粘度
  • エンジンコンプレッション
  • オーバーシュート
  • 再始動がし難い車
  • 月に一度のおつとめ
  • ナラシは必要?(車全般)
  • マフラーから爆発音
  • プラグ(FD)
  • ラジエター警告ランプ


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  • 3,000rpm以上回す? (Rotary) ....... No.000<Asmic>
  • よく、3,000rpm以上回してあげないとカーボンが溜まりやすい ... などということを聞いたり、雑誌などで見かけることが有りますが、マツダのロータリー開発者に聞いてみると、"んなぁこたぁ〜無いよ!"、っと、お答えになります。
    私はコスモAP(NA-13B)、FC前期、4型FD、5型FDとロータリーに15年以上乗っていますが、通常の街乗り(発進時は除く) ではせいぜい回しても 2,000rpm程度だし、郊外では 5速、1,500rpmくらいで流して乗るなんてことがとても多いのですが、それが原因でエンジンに異常が発生したなんてことは経験が有りません。日常の使用においてはロータリーだから云々、、などと意識した乗り方もしたことが有りません。

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  • 異常燃焼 (Rotary) ....... No.000<Asmic>
  • デトネーション ...ロータリーエンジンの話題で良く出てくる "デトネーション"という言葉(現象)は、正確には "高速ノッキング" というのが正しいらしい。

    では、【デトネーション】とは、、、<平凡社百科からの抜粋>
    可燃性の混合ガスを管の中で燃焼させると、ある条件の下では火炎の伝搬速度が急激に上昇して 1,000〜3,500m/secにも達して、発生する衝撃波は音速を超えることがある。この現象をデトネーションという。
    ガソリン機関、灯油機関のノッキング現象をデトネーションと呼ぶことがあるが、厳密な意味ではデトネーションとは異なる。

  • ノッキング .......プラグで点火した後に起きる異常燃焼。

    <参考文献:山海堂/新・自動車用ガソリンエンジン>
    低速走行状態から急加速した場合などにエンジンから "カラカラ"、または "ガリガリッ"というたたき音を発生することがある。これをノックと言う。
    ノックは混合気の火炎伝ぱの末端部(エンドガス)がほとんど一瞬の間に燃焼する "自発火"に起因し、このとき生じる燃焼室の大きな圧力不均衡によって発生した圧力波が燃焼室壁を加振してノック音を発生する。
    点火プラグから広がる火炎面は既燃部の膨張により未燃部を圧縮しつつ進行するため未燃部の温度、圧力は上昇し、アルデヒドや過酸化物などの中間生成物が火炎到達以前に生成される。その温度、圧力の時間履歴が燃料によって決まるある限界(過酸化物濃度の限界)を越えると自発火に至る。

    点火時期を遅らせてノックが発生しない場合より、軽いノックが発生するまで点火時期を進めた方が燃費、出力とも向上するが、ノックの発生は圧力上昇率、最高圧力を増大させ、かつ、圧力振動のために境界層(断熱層)が薄くなることによって燃焼室壁、ピストンへの熱伝達を良くするので、ピストンやピストンリングの焼損、焼き付き、ガスケットの吹き抜け、さらにはメタルの異常摩耗などの障害を引き起こすことが有る。

    ノックを抑制するには下記方法などが上げられる。(詳細略)
     (1)高オクタン価燃料の使用・・ハイオクガソリン、添加剤
     (2)燃焼期間の短縮・・・・・・燃焼速度の増大化(火炎伝ぱ距離の短縮)、燃焼室形状の改善 ..etc.
     (3)エンドガスの温度低減・・・燃焼室壁温低減、残留ガス低減 ..etc.
     (4)点火時期の制御・・・・・・ノックセンサ ..etc.
    ........ロータリーには厳しい条件がいっぱい並んでる。。。。(_ _);;;

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  • エアポンプと触媒 (Rotary) ....... No.000<Asmic>
    エアポンプ 【なぜエアポンプが有るか?】
    ロータリーは独特の燃焼室形状/燃焼速度/燃焼温度を持つため排気ガスはレシプロよりかなり少ない NOx(窒素酸化物)、かなり多い HC(炭化水素)、ほぼ同等の CO(一酸化炭素)という未燃焼成分が多い特徴を持っている。
    ほとんどのメーカーが開発をあきらめた中、最後までマツダと同様に意欲的だったGMがロータリーから撤退した最大の理由の一つは "アメリカの排ガス規制をクリアする技術が見出せなかったこと" と言われている程、排ガス対策はエンジン本体の開発と同じ様にやっかいな問題なのであった。

    マツダは古くからサーマルリアクター方式などと言った再燃焼/酸化触媒を開発し、その触媒が排ガスを綺麗にする(酸化する)ために二次エアー(エアポンプ)が必要となるのである。
    今日(FC/FD/JC・・など)でも基本的にそれは変わらずロータリーの場合はエアポンプと(RE専用)触媒の組み合わせは必要不可欠な物になっている。
    また、エアポンプは触媒に二次エアーを送るだけでなくエキゾーストポート部にもエアーを供給し排ガス浄化と燃焼室内の未燃焼ガスを追い出す(=吸入側作動室への排気ガス進入を防止する)役割が有る。(FD)

    【エアポンプが無いと?】

  • 触媒が十分に機能せず(=排ガスが綺麗にならない)車検に通らない。
  • 触媒を付けたままエアポンプを止める(二次エアーの供給を止める)と触媒が加熱しすぐにダメになる可能性が有る。
  • 燃焼室内の未燃焼ガスが十分に排出されなくなるためアイドリング時にアイドルが不安定になったりかぶりやすくなる。(FD)
  • カプラ(電源)を外してエアポンプを停止させ、そのまま付けておくとエンジンルームの熱でシール類などがダメになり、次に使おうとする時に動かなくなっているという様な不具合が起こる事が多い。

    【触媒が無いと?】

  • 排ガスが綺麗にならず車検に通らない。
  • 触媒自体がかなりの排気抵抗になっており、それが無いとフンズマリ状態が解消されターボ車ではブーストが上がってしまう。(=パワーが上がる)その結果、燃料が不足したりして最悪エンジンブローなどのトラブルを発生する場合が有る。
  • まぁ、、爆音系になるかな。。。

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  • エンジンオイル (Rotary) ....... No.000<Asmic>
  • 鉱物油、化学合成油(部分合成油を含む)のどちらを使う? ... マツダのロータリー開発者は鉱物油の使用を勧めています。合成油にはシールなどに悪影響を及ぼす成分を含んでいる場合が有るそうです。
    マツダ純正オイル(ゴールデン SG, SH, SJ)は鉱物油であり、きちんと定期的に交換するなどのメンテナンスをやっていればサーキット走行などでも問題ないそうな。

    その後 1:オイルメーカーが変わり、ディーラーで使っている純正オイルは化学合成油になっている。量販店で売られている純正オイルは今でも鉱物油の物が有る。

    その後 2:純正オイルは部分合成油になっているとの指摘を頂戴しました。(2006年 5月)

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  • エンジンオイルの粘度 (Rotary) ....... No.000<Asmic> 某資料
    粘度の低い 5W 等のオイルは避けた方が良い。柔らか過ぎて高負荷時に油膜切れを起こす事が有る。また、油圧降下も早くなり、油圧が下がった状態で走行すると油膜切れを起こす場合が有る。
    10W〜15W 以上のオイルが好ましい。

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  • エンジンコンプレッション (Rotary) ....... No.000<Asmic>
    ローター3辺のそれぞれで混合気を圧縮しますが、その圧縮圧力の事を言います。

    エンジンを暖機後、スパークプラグ(T側)の変わりにセンサーを取り付け、クランキングさせて測定します。
       勿論クランキングしてもエンジンが掛からないように・・・などと説明が必要な方は
       闇雲に自分でやってはいけません。プロに任せましょう。

    この数値を目安にエンジンのオーバーホール時期などを判断する事が出来ますし、エンジン内部が破損していないかどうかを知る手がかりとなります。
    ディーラー、またはロータリーチューニングショップなら測定可能なはず。レシプロ用測定器は使用不可。

    RX-7 FC3S前期 13BT圧縮圧力標準値 8.5kg/cm2-250rpm(カタログデータ)
    RX-7 FC3S後期 13BT圧縮圧力標準値 9.0kg/cm2-250rpm(カタログデータ)
    限度値
    (ナイトスポーツ資料より)
    圧縮圧力 6.0kg/cm2-250rpm
    三室差 1.5kg/cm2 ローター差 1.0kg/cm2

    RX-7 FD3S 13B-REW圧縮圧力標準値 8.5kg/cm2-250rpm(FD3S整備書データ)
    圧縮圧力標準値 9.0kg/cm2-250rpm(カタログデータ)
    限度値
    (FD3S整備書より)
    圧縮圧力 7.0kg/cm2-250rpm
    三室差 1.5kg/cm2 ローター差 1.0kg/cm2

    ユーノスコスモ JCESE 20B-REW 280ps圧縮圧力標準値 9.0kg/cm2-250rpm(カタログデータ)
    ユーノスコスモ JC3SE 13B-REW 230ps圧縮圧力標準値 9.0kg/cm2-250rpm(カタログデータ)

     *三室差  :フロントとリア、それぞれ3つの燃焼室の圧力差
     *ローター差:フロントとリアの平均コンプレッション値の差

    クランキングスピードが標準値(250rpm)より高くなると、圧縮圧力も高くなる傾向が有ります。
    圧縮圧力が1室でも限度値以下、または、三室差、ローター差が限度値以上の場合は、オーバーホールが必要。

    .....<山崎さん>からのコメント
    FD3S:エンジンの慣らしさえきちんと行なえば、実測値では概ね 9.0〜9.5kg/cm^2 位です。シールの改善の成果なのか、高年式になる程この値は高くなる傾向です。(^_^)
    因みに Knight Sports で O.H したエンジンだと 9.5〜10.0 over位になります。但し、ロータリーはレシプロ以上にエンジンコンディションに慣らしの有無が影響を与えます。具体的にはアペックシールの断面形状に差が出る為です。均一で奇麗にカマボコ状になれば高いコンプレッションが得られますが、慣らし中に無理をすると、これが斜目に削れてしまいます。

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  • オーバーシュートとは ....... No.000<Asmic>
    ターボ車で抜けの良いマフラーを装着し、ブーストアップしたりすると(きちんとブーストコントローラーなどを付けてやらないと、、、付けても押さえられない場合があるそうですが)起こる事が有ります。
       この様になめらかに↓ブーストが立ち上がってくれれば良いのですが
    
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       立ち上がりの時にブーストが一瞬異常に上がってしまう現象を "オーバーシュート" と言います。
       制御系がブーストの急激な変化に追従できず、発生するようです。
    
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    オーバーシュートが発生するとその度合いにもよりますが、最悪エンジンがブローします。
    ナイトの資料などでは、FDでは抜けの良いマフラーを装着しフル加速するとシーケンシャルポイントで発生するという報告が有ります。

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  • 再始動がし難い車 (Rotary) ....... <山崎さん>
    寿命が近付きエンジンコンプレッションが低下して来てアイドリングでカブり易く、再始動で難儀している様な車の場合、エンジン停止前に少し高目のアイドリングを静かに暫く維持し、キー OFF してエンジンの火が消えた直後にアクセルを全開して新気をエンジン内に入れてやります。すると次回のエンジン始動が容易になります。

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  • 月に一度のお・つ・と・め (Rotary) ....... No.001<SHADEGREEN>
    某ディーラー工場長殿からのアドバイスです。
    ロータリーは、月に1度くらいの割合で、高回転を維持しながら走ると、エンジンに良いそうです。 具体的には、3速ホールドで、100キロくらいのスピードを維持して、10分くらい走行するだけで OKです。
    これは排気ポートなどにスラッジが溜まるのを防ぐのが目的です。私の FDだと 4,700rpm ぐらい回ります。

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  • マフラーから爆発音 (Rotary) ....... "Free Talk" (96/08)
    アクセルを戻した時など、マフラーから "バ〜ン!"とか "パン!" とか爆発音がします。
    弁機構を持たないロータリーは特に生ガスが発生しやすく、さらに排気温度も高く、それがマフラーまで流れ込むためアフターバーンとかアフターファイヤーがよく発生します。触媒なんかを取ってしまうとさらにその現象は顕著に現われ、火を吹く怪獣状態となります。
    マフラーからの爆発音はロータリーの証です。特に心配する必要は無い様です。
    OPTION(96/09)にアフターファイヤーの記事が有るので、参考にして下さい。

    上記理由の他に、プラグやエンジンオイルが劣化してくると特に "パンパン" が多くなる傾向にありますので、それを合図に消耗品の管理に役立てるのも一つの手です。

    この燃え切らない燃料を少しでも燃やしてパワーを引き出そうとしたのがルマンを走った MAZDA 787B に搭載された R26B、3プラグ4ローターです。

    .....<山崎さん>からのコメント
    チューニングが施されている場合は別ですが、ノーマルでアクセルオフ時に軽くボコボコ音等のアフターバーンが起きている場合は、バッテリーターミナルを暫く外して一旦 CP の学習内容をクリヤーして見て下さい。
    これで症状が収まったりエンジンレスポンスが軽くなったり燃費が良くなったりした場合は、乗り手の普段の操作法に問題が有ります。スロットル操作が速く雑な為に、CPがエンジンを守ろうと学習してガスを濃くしてしまっている訳です。

    特に不調でも無いコンディションで「たまに燃費を気にして静かに走ってみたのに、同一他車に比べてやっぱり燃費が悪かった」等も同じ理由ですね。まあ、これは学習型の ECU を搭載している多くの車にも言える事ですが..(FD の CPUリセット

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  • ラジエター警告ランプ (Rotary) ....... "ROTARY ROOM"
    冷却水の量が少なくなると "ラジエター警告ランプ" が点灯します。対策として冷却水を足してやればOKです。 ところが、、しばらくすると継ぎ足した冷却水がリザーブタンクに出ていってしまい、またすぐに警告ランプが点灯してしまうような現象が起きる事があるそうです。
    安い社外品のラジエターキャップなどを使うとこの現象が出る場合があり、キャップを新品に交換すると直る事があるそうです。




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